普通の人が自宅投資をするのに適しているマンション価格は5000万円台である
たしかに高価格帯のマンションが地価上昇局面で高いキャピタルゲインを出しているので高ければ高いほど良いと思いがちですが、逆にいえば下落局面で大きくダウンサイドリスクを取ることになります。普通の人が自宅投資するにあたって最適な予算感を需要サイドから考えていこうと思います。
そもそも東京のマンションを買う人はどんな人?
買う人のほとんどは東京に仕事があるひと
買う人がいなければ価格は需給で下落していくので、自分の所有する予定のマンションをだれが買うのか、その人は今後人口動態的に増えるのか減るのかがとても大切です。
そもそも東京のマンションを買う人とは・・?
- 東京で働いていて結婚した
- 東京で働いていて出産した
- 高収入独身で半分投資用に買った
- 普通に高収入
生活の基本、つまり仕事が東京(首都圏)にある人が、ファミリー世帯になって購入するか、賃貸でも回せる用に好立地なマンションを購入しています。
重要なのは仕事が東京にあるということ。
東京のGDP推移から東京の仕事を予想
東京におけるマンションの需要サイドを考えることはつまり、東京の仕事が増えるのか減るのかどっちなんだということです。
東京都のGDP推移を参照すると
都民経済計算(都内総生産等)27年度速報・28年度見込|東京都
減少に転落しており警戒しておいて損はないが、H22から約3兆円プラスなので堅調といえば堅調です。ただ、高齢世帯が増えてくると生活の軸が仕事ではなくなるので、東京から周辺の首都圏に移住したりする傾向は強くなるかもしれません。
ちなみに上記の記事で書いているように、東京への人口流入は都心3区においては2045年まで続く見込みで、人口動態ほど精度の高い統計はあまりなくかなりの確度で20年くらいは需要が見込めます。
ファミリーの世帯年収から価格を考えると5000万円台
東京都の平均年収を区別にしたグラフで、だいたい平均年収は400〜500万円です。ざっくりカップル・ファミリーで共働きだと800万〜1000万になり、フルローンで購入できる価格は金利1%の場合は8000万円ほどになります。しかし、8000万のマンションを買うと月々25万くらい払うことになるので現実的じゃないです!
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現実的に月15万円ほどの固定費で維持できる住宅ローンは5000万円台になるわけです。ファミリーの手取り換算でいくと、夫30+妻20=50万の15万は負担率30%になるので現実的なラインになります。6000万円以上のマンションが実需の天井圏といっているのはこの毎月のキャッシュフローの肌感にもとづいています。
逆に1億超えの超立地タワマンは買い
平均年収というバイアスで見れば毎年下がっている印象がありますが、日本には億プレイヤーが1万人もいます。年収は二極化していて高いものほど買い手がつくというのもあります。目黒徒歩1分のタワマンが瞬殺で売れたりするのもそういう二極化の表れかなと。お金があれば6000万以上〜1億以下の中途半端で需要の薄い層を狙わずに大きく億ションを狙っていくのが合理的かもしれません。
ファミリー世帯マンションのリスク
駅近タワマンと違ってファミリー世帯マンション特有のリスクもあります。
高齢世帯の移住リスク
高齢世帯(60〜70歳)が30歳当時にマンションを購入していた場合、築30年〜築40年のマンションが大量に売り出される可能性があります。管理が良好であればヴィンテージマンションとして、駅近好立地であれば賃貸としても大変な人気になっていることでしょう。
とはいえ老朽化はしているので、修繕積立金が高かったり、リノベーションして外面だけお化粧したけど中はボロボロの物件が多数見られます。こういうのは所有するメリットが低いので賃貸や民泊として活用されると考えています。僕の考えとしては、老朽化しつつある築30年オーバーの物件は急激に増えているインバウンドや海外からの移住などの受け皿として機能すると考えています。
逆に言えば、1970年台や1980年台になくて、今デファクトになっている仕様は差別化できるという投資妙味があります。例えば、大規模マンションで共用設備が充実していたり、商業施設が併設、駅直結タワーなんかは強い差別化要因になりますよね?
ファミリー世帯の減少リスク
需要が全体的に減るとなると本当に価格下落リスクが大きくなります。ファミリー世帯が減るようだと結構辛いですね・・・。現状子供2人から子供1人に減り、子無しが増えるものの世帯数はそれほど減らない状況ではあるので、広めのファミリータイプよりもコンパクトなタイプの方が自宅投資向きかなと。
今後世帯あたりの人員が増える統計データは見られないので、70平米前後で3LDKの稼働扉で2LDKに間取り変更できたりする仕様がリスクヘッジになると考えています。
まとめ
- 東京の仕事も人口も当分は堅調
- 年収と世帯ボリュームを考えると5000万円台がリスクが低そう
- 価格競争に備えて差別化できるマンションを選ぶと良い
今回は価格帯をテーマにしましたが、普通の人が普通に資産形成をしていくのに適した価格帯を意識してみてはいかがでしょうか?新築マンションの中には6000万円超えの強気の部屋が多くあり、問い合わせでも躊躇されている方が多く見られました。
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