2016年首都圏マンション価格は上昇傾向だが頭打ちなので買い時ではない
2016年(1〜9月)首都圏マンション価格の平均値・中央値が発表
2016.11.10リリース
首都圏マンション・近畿圏マンション 戸当たり価格の平均値と中央値の推移
首都圏 発売戸数と価格の推移
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/262/md20161110.pdf
平均値の伸びは緩やかな一方、中央値は大きく伸びています。発売戸数は大幅に減っているため高い物件が厳選されて販売されている傾向が見れます。5000万というと年収700万くらいの人が組める住宅ローンなので、東京都の平均年収(623万)から考えると頭打ちは近いと思われます。したがって今は買い時ではないように思えます。
マンション価格がこれ以上上昇する経済基盤がない
買いたい人がいる限りは売れるので価格は上昇するかもしれませんが、年収800万以上の人口は全体の8.4%であまり多くはありません。1年に3万戸新築マンションが発売されても潜在的に買える人が約1000万人で、そのうち今賃貸に住んでいる人は珍しいので25%くらいとして、購入のマインドがある人はさらに25%くらいで62万人くらいでしょうか・・・。一方、中古マンションの成約数が年30万くらいで昨対比2桁成長中なので中古マンションブームだしマンション価格の上場はなかなか見込めなさそうです。今の住宅ローン金利・経済状況から弾き出すとこれくらいが頭打ちではないでしょうか。
消費者も中古マンションのリノベーションに傾いている
新築には手がとどかない消費者は、中古マンションをリノベーションして新築並にキレイな物件に住むスタイルが流行ってきている。中古物件が価格を押し上げないのは、中古マンションは新規売り出しが毎月15万件以上あるのに、成約はたった20%の3万件しか成約しない供給過多にあるからです。今はお得なリノベーション物件を転がすのがベストなのかもしれませんね。
買い時はいつくるか
投資の格言で「ショックの時に買う」という言葉があります。2008年のリーマンショックしかり、2011年の東日本大震災しかり、何年かに1回は何とかショックが起きるようになったのでそれを狙って買う戦略が最適だと思います。
『中古マンション70㎡換算価格推移』2015年(年間版)
http://www.kantei.ne.jp/release/PDFs/c2015.pdf
2017年〜2019年にかけては2012年から継続的に中国人がタワマンを投資目的に購入した分の売却が始まります。というのも5年以上保有していないと売却益の課税率が大きく変わるためです。まずこれが第1の調整局面で、第2の調整局面は2020年東京オリンピック後の動向でしょうか。みんなすっかり忘れてしまった中国のシャドーバンキング問題とか、ドイツ銀行の破綻とか、BREXIT皮切りにEU解体で長期リセッションとか大規模なリスクはあげればきりがありません。クライシスが起きた時に冷静に動ける状態にしておくことが重要だということです。
中国のシャドーバンキング、38兆円の損失リスク-CLSAが試算 - Bloomberg
まとめ
実需からみてこれ以上マンション価格が手放しに上昇することは考えにくい。
「ショックの時に買う」から、今は買い時ではない。