家を初めて買う人は中古リノベマンションにだまされて痛い目を見ないように
家はブームや雰囲気に流されて買うものではない
最近、首都圏でリノベマンションが大人気ですね。
ぼくも首都圏リノベマンション流通のエンジニアとして一時期仕事をしていました。新築にはない自由度の高さと立地をうまくミックスさせたリノベマンションはすぐ売れていきました。一方で、立地が悪いけどおしゃれな物件は結構売れ残ってるのが現実です。いくら中身を取り繕ったところで、不動産と呼ばれるだけあって動かない立地や管理状況、構造の劣化具合なんかが本当の価値を形成しているわけです。
大きい買い物だからこそ、価値を見極めて買おう
いくら安くても首都圏のリノベマンションは3000万〜4000万ほどはします。品質の高くて立地のいい場所となると、平気で新築並の価格をふっかけてきます。実際、おしゃれなカフェっぽいリビングにするには平米あたり10万円くらいで出来てしまいます。平均的な70㎡の3LDKをフルリノベしてもたかだか700万円とかそれくらいなのに、価格にはその倍くらいの金額が乗っているように思えます。(中古なので仲介手数料3%もかかりますしね)
今のリノベブームには乗らず、第2次リノベブームに乗ろう
今まさにリノベブームで、周りでも何人かリノベマンションに住んでいます。ただ、言ったら失礼になりますが、築30年の中古マンションをフルリノベしたところで残念ですが基本性能がまだまだ低いので、生活快適性があまりありません。
住まいの基本性能とは
- 風通しの良さ
- 日当たり(採光)
- 広い空間
- 快適な温度と湿度
この辺の基本性能が1段階あがったのが2000年以降で、逆梁アウトフレーム工法と呼ばれるものが出てきました。これが新築3種の神器の1つと勝手に呼んでいるもので、基本性能を大幅に押し上げる自宅イノベーションを起こしたと考えています。
新築マンション3種の神器とは?新築マンションを買う前に知っておいて損はないこと
逆梁アウトフレーム工法のメリットは、空間を広く取れるので圧迫感を軽減させるだけでなく、梁の分だけ窓のサッシを高くできるため風通しの良さと日当たりを同時に実現することができます。
こんな感じでリノベーションではサッシの高さまで直すことができません。
http://mansionmania.blog.jp/archives/1043645568.html
リノベ済みマンションには2種類あるから気をつけて
リノベビジネスの仕組みを裏側から見ていた僕としては、やはり築30年を超えると中々買い手はつきません。なぜなら、購入者は30代ファミリーが大多数で、わざわざ人が住んだ後に住みたいなんて物好きはいないからです。それでもコスト面でのメリットと、立地の良さがあれば売れていく中古マンションもたくさんあります。
- リノベしないと売れない中古マンション
- リノベして提案することで売れる中古マンション
1のリノベしないと売れないような中古マンションはまず買うべきではありません。不動産そのものの価値がやはり低いので、後々苦労することになることは必至です。
リノベしないと売れない中古マンションとは?
- 立地が悪い
- 長期修繕計画がずさん
- 構造的な寿命が近い
どれも不動産としての価値が毀損していて、買うべきではないのですがリノベされてお化粧されると本来の価値に目がいかず買ってしまいそうになります。特にコンクリートの寿命は存在しますし、建て替えのスキームはまだまだ現実的ではないのでマンション管理が徹底されていない築古のリノベマンションなんて恐ろしくて買えません。
全国でも200件程度の建て替え事例しかありません
マンションの建替えは、できない | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【HOME'S PRESS】
広尾ガーデンヒルズなんかは立地が素晴らしくて、もう築31年なのに1億超えの中古マンションが即売れ状態です。やっぱりおしゃカフェリビングは資産価値のある所でやればいいんです。
https://kawlu.com/journal/2015/09/22/7609/
リノベして提案することで売れる中古マンションとは?
立地が駅歩15分とかなり悪いのですが、広いルーフバルコニーがあって、周りに高い建物がなくめちゃくちゃ基本性能が高いリノベ済み中古マンションがありました。元々はバブル期に建てられたマンションなので内装も採光なんかたいして考えてない普通のマンションだったのが、ルーフバルコニーとシームレスに移動できるようにワイドスパンの窓付けて、部屋ぶち抜いてリビング20畳以上にしたり今風の快適な内装を提案することで即売していました。立地が本来もっている強みを磨いて尖らせて、消費者に訴求しているタイプのリノベマンションであれば買っても良いかなと思います。
資産になる家をおしゃれにしよう
リノベも良いのですが、僕の考えは今新築のマンションも20年経てばリノベして売れるので、新築の方が不確実性リスクが低くていいじゃん?と思っています。築30年の20年後は築50年でコンクリートの寿命とか建て替えなどの問題も出てきます。一方で新築であれば20年後は築20年ってだけなので、まだ全然住めるよねっていう不確実性リスクがあまりありません。ほとんどの人はリスクを嫌うと思うので、築50年オーバーでも売れる資産価値のあるマンションというのは長期優良住宅(100年住宅)とか恵比寿徒歩1分!みたいな特殊なマンションだけでしょう。決してさいたまで築50年の中古マンションに値段がつくとは思えません・・・。
マンションという商品の寿命
日本最古の鉄筋コンクリート造りのマンションは軍艦島にあるそうですが、現実的な事例でいうと同潤会アパートや表参道ヒルズになった青山アパートの90年という事例が寿命に限りなく近いのではないでしょうか。長い目で見ると内装はいくらでも変えられるので、本当に大事なことは立地や日々のメンテナンスで本来の価値が損なわないことだとわかりますね。立地・立地・立地!
自宅投資という考え方
資産性という点でかなりリノベマンションの怖い部分を指摘してきましたが、自宅ほど個人に優遇されている投資は存在しません。言ってみれば空室率が0%の不動産投資が銀行からお金を借りて、しかも金利が0(住宅ローン減税のため)でやれるなんて神がかった優遇策です。
そもそも自宅投資を広めようと思った原体験となった出来事
なぜ僕はマンションを買うことで700万の現金を手に入れることができたか?
損したくなければ素直にピケティの「r > g」にならって、まずは自宅投資を考えてみてはいかがでしょう。とはいえ、最大の恩恵を受けれる新築マンション価格は天井に近いので、本当に価値がある新築マンションを買うためにはよく市場を知る必要があります。
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